パシリ以外の何者でもない

見慣れた街の風景が、列車の窓の外を右から左へと流れてゆく。
視界に入っては消えていく無数の家々の明かり。
この沢山の光のなかに、我が家ほど壊れきった家庭など存在するのだろうか。
藤堂博隆はそんなことを考えながら、今日も陰鬱な表情で会社帰りの列車に揺られてい…